2014年10月14日火曜日

Ver.1

総合内科では、『 Ver.1 』という言葉が出てきます:今回はちょっと無機質な・愛想のない題名ですね・・・
この言葉が出てくると、顔をそむける医師もいるとかいないとか・・・。
当院の総合内科では、様々な疾患を診ています。
個人的には、地域における内科疾患は4つに分類される・・・と思っていて、
それに関する執筆もそろそろできあがります。
(比較的)少ない臓器別専門医の先生をサポートするという役割(これが2つ)もありますが、
当院に常勤医が不在の分野や少し頻度が低い疾患を適切に診る という役割も大きいです。
※ 当院での経験症例のダイジェスト:http://fukugim.blogspot.jp/2014/02/2009-2014.html

症例をただ経験するだけでなく、
深く診る (大船中央Hpの須藤 博先生は 『 賢く経験を積む 』 と表現されます) ために、
1つの症例や症候について、まとめる情報共有することが大事と思っています。
※ 過去の医学界新聞での座談会記事 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02858_01

【計算例】
 年間に専攻医が経験できる症例数は、おおよそ120~160:200までいくと大変です。
 研修医は2~3ヵ月のローテーションとなると、

               160÷3/12=40症例前後を担当できるということになります。
 その40症例/年で、また160症例/年でどこまで内科の習得度合を高めれるか・・・となります。


総合内科全体では1,200症例/年ぐらいを経験しているので、
そのなかで症例を 『 深く診る 』 ために、重要なことは ” まとめる ” ことです。

学会や研究会などでの症例発表をするためには相当の労力を必要とします。
それを意識的に若手~中堅とわざわざ手を挙げるのは大変な苦労です
:なので、一緒に症例をまとめる上級医には感謝の気持ちを忘れずに・・・。
また、『教えることは学ぶこと』 = ”Teaching is learning twice.” という言葉があるように、
教育用のコンテンツを創ることも 『 深く診る 』 ための、自分のための材料です。
総合内科のスタッフ・専攻医には、どれだけPower Point®、Word®の書類を所有しているか
を意識させています。
さて少し話がそれましたが、 Ver.1 というのは
担当した症例を、Power Point®ほどではないけれど、
(コピーだけのVersion.1 でもいいので) とりあえずまとめましょう!という取組みです。
その分野に関しては、自分がExpert であるかのごとく、Outputすることが希望です!
:覚えている範囲で、Topから発言を促されますが・・・
日常診療で 『 深く診る 』 ためのVer.1もありますが、
外来診療を円滑に行うため 』 や、『 患者さん(+ご家族さん)との情報共有 』 を行うための
資料作成 = Ver.1 もあります。
外来診療室にあるVer.1ファイル
患者さんへの説明パンフレットも厳選しています!
【註1】:この資料作成から臨床研究のアイディアもいくつか生まれ、現在進行中のものもあります。

さてこういったものは、ある程度の負荷 がかからないとエンジンがかからないものです。
これは性格もありますが、一般論でもあると思います。
また個人的に勉強をする医師もいると思いますが、
情報の共有 やできたものを Peer Review することでより良くなるのは
自明のことです。
作成までに腰の重いものもありますが(個人的に抱えているVer.1は案外重いです・・・:あっ言い訳?)
徐々に資料が増えていって、
(無機質にではなく) 効果的に臨床に活かせるといいなと思っています。
これからは、いろんな情報を患者さんや家族と 適切に情報共有 することが
重要な時代になってきていると思っています。
難しいこと、聴きなれないことに対しても、一緒に向かっていけるような臨床を意識したいです。
宿題の残っているMemberに告ぐ!  頑張りましょう!
【註2:Ver.1の例】
◆ 疾患説明関連
 脂質異常症 COPD 浮腫 CKD 
 血圧高値 背部痛・腰痛 NTM(非結核性抗酸菌症) 脳卒中関連(入院後)
 インフルエンザ・急性胃腸炎(ICT作成)
◆ 診療補助
 咳の問診票 GIF/CF検査関連
 胸部異常陰影・二次検査(以前は肺腫瘤精査というものがありました)
◆ パンフレット
 気管支喘息 禁煙 片頭痛 肺炎球菌ワクチン:減量関係もいいのがありますが、コストが・・・

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