2011年12月13日火曜日

12月10日(土) 医師会学術講演会!

さすがに恥ずかしいので、発表のときの写真はありませんが・・・ 和田先生はビシっと散髪して現れていました(気合いがはいっていた・・・のですが、当院からの聴衆は少なめでした・・・残念!)。

それで10日(土)に福知山・綾部医師会学術講演会があり、京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 助教の松本 久子先生が講師として来られました。
2年前にも (確か) 「慢性咳嗽」の講演に来られましたが、今回は「高齢者喘息の病態と治療」という演題で、時代の流れから、近未来の話までしていただきました。
実は松本先生は、自分自身が研修医1年目のときに指導いただいた先生のおひとりで、下記の松本先生がFirst authorの論文は自分が主治医の症例でした(当院のスタッフ・専攻医・研修医にはよく冗談で言ってますが、結核患者さんの「大仏のマスク」を共有した症例です:排菌してなかった・・・んだっけ?)。
http://ci.nii.ac.jp/naid/10013261144

さて、その前に当院 総合内科の和田 幹生先生から、
「当院の気管支喘息治療 ~入院患者の動向と救急診療を中心に~ 」
                               という演題で発表してもらいました。
発表にもあったのですが、吸入ステロイドの普及で、気管支喘息による気管挿管・人工呼吸器管理をする症例は本当に減りました。しかし、この3年間で3例の人工呼吸器管理例や、おそらく気管支喘息によるものであったのではないかと思われる突然死がありました。こういったことを地域の先生方に伝えておくことも重要かと思いました。
 また当院の救急や入院での気管支喘息治療について、地域基幹病院での臨床情報を共有してもらい、基本的にはかかりつけ医でのコントロール、病態が悪化したときに救急や入院診療を当院が担う、といったこと、また特殊検査などを定期的に行うのは当院で、といったような病診連携が進むと、地域としてより良い医療ができるかなと思っています。

和田先生はMPH(Master of Public Health)という社会健康医学修士を持つ先生で、以前は(昨年まで当院に所属していた)米田先生と一緒に脳卒中をまとめてもらったり、院内における結晶誘発性関節炎のDataも取られています。
http://fukugim.blogspot.com/2011/06/blog-post_30.html :プライマリ・ケア連合学会での当院の発表演題にもあります

 来年度から当院にスタッフとして来てくれる医師も、「臨床研究」に興味を持っているので、和田先生の存在は大きいです。また比較的稀な症例も、一例報告だけでなく、○例報告につながるように、意識していこうと思っています(今週末の内科地方会にも演題を出しますが、和田先生がSuperviseしてくれています!)。
 福知山市民病院のもう1つの『売り』として、臨床研究である、と胸が張れる日が来る・・・かな?

 臨床研究に必要なものは・・・
 ◆ それだけの基礎的な知識を持っている医師が複数人いること に加え
 ◆ 臨床の疑問・リサーチクエスチョンに気づける能力
 ◆ 臨床のフィールドがあること
 ◆ その仕事を重要視する文化
 ◆ そして少しの余裕 がないと、なかなか前に進みません。
そこにプラスして、
 ◆ 楽しい職場であることも重要 で、
 ◆ そのアウトカムが臨床の質を上げることにつながれば 
               本当の成果といえると思います(個人・施設・地域レベルで)。

 さて、最近、外来レベルで慢性の乾性咳嗽やマイコプラズマの呼吸器感染症の問題が話題に挙がっています。
 IDATENという感染症関連のMLにも投稿させてもらったのですが、個人的な医療のプラクティスの問題だけでなく、施設のなかのある程度の統一、近隣医療機関との情報共有、そして患者さんたちとの情報共有がうまく行かなければ、地域としての医療は良くならないと思います。
 医療における不確かさ を、高いレベルで認識し、医療者の間・医療者と患者さんの間での情報共有がこれからの医療には必要だと思っています。

 インフルエンザ診療とマイコプラズマ感染診療は共通点があるように感じています。診断の不確かさ、治療が必ずしも必須ではないこと、耐性菌(ウィルス)の問題があります。
 当院ではインフルエンザ診療に関しては、ICTが作成してくれたA4 裏表の配布資料があるので、初診外来・救急外来での診療がスムーズになっています。マイコプラズマ(もしくは乾性咳嗽)診療もそういった資料の作成をどうするか、のタイミングかもしれません。

 今回の医師会の勉強会のあとの懇親会でも、慢性咳嗽の話が挙がっていました。一般論や当院でのスタンスなどを、2ヶ月に1回開催される医師会との合同勉強会(当院がプレゼン)で、話をさせていただくことがほぼ決定しました。これは大変嬉しいことです。
 さらに看取りや終末期医療(特に非担癌症例)での話にもつながっていくと地域力が上がっていくのかなと思っています。すぐにできなくても、3年後、5年後でもいいですが、
    10年後も同じまま・・・では、努力不足かもしれません ので、頑張ろうと思っています。

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