2011年8月20日土曜日

初期研修医 / 専攻医(後期研修医) / 総合内科スタッフ

本日、当院の初期研修の採用試験が終わりました。
管理型 4名の定員 に対して、17名の医学生 が試験・面接に臨んでくれました。
(採用試験開始前の重々しい雰囲気の写真は撮ったのですが・・・ 個人情報的にも出せません:面接の待ち時間はみんなで楽しくしゃべって下さいねとお願いしましたが、どうなっていたのでしょう?)
 採用したい人員は当たり前ですが4名をはるかに超えており、今後、院内での調整が必要になってきます。
 嘆いても仕方がないことですが、『京都府』は医師数が多い都道府県(統計の取り方にもよりますがTop3にははいります)なので、研修医も削減対象です。ただ、この中丹地域の医師数は多くはありません。”京都市外”の医師数が少ないのは先日の知事選のときにもDataとして出ていました。
 こういった地方都市の病院に勤務したいと思っている研修医 (=将来の専攻医・スタッフ候補) がたくさんいるのに採用できないのは、地域医療にとっては大きな痛手です。
早く何とかなることを・・・と思いますが、行政で決められたことはなかなか難しいようです。

それで、このブログでなかなか専攻医やスタッフのことが伝えられていなかったのですが・・・。
病院としては、
 ◆ 『やる気のある』 初期研修医
 ◆   『優秀な』   専攻医
 (当院では後期研修医でなく、専攻医と表現しています)
 ◆   『魅力のある』    スタッフ   
                のうち、できれば専攻医・スタッフが欲しいのが現状です。

ただ、そこだけが集まってくることも難しいですし、
研修医 臓器別専門医 総合内科医 バランス が、
                       地域基幹病院、ひいては地域医療を守ることにつながると考えています。

それで専攻医・スタッフが、どんなことをしているか・・・ということを理解していただき、それに賛同していただけるメンバーでチーム医療を実現したいと思っています。

実は、病院HPの総合内科の項目に結構シッカリとかけているようにも思っています(2010年度のままですが・・・)ので参考にしていただきたいですが・・・ 3つの柱にあるものを紹介すると・・・

 ◆ 総合内科の専門性
 ◆ 臓器別専門医の負担軽減
 ◆ 医学教育・研修
         があります。

そこには、感染症診療や診断学、内科救急や集中治療といった臨床も含まれてきます。
※ 過去の記事【総合内科のDuty】 http://fukugim.blogspot.com/2010/11/duty.html

また、キャリアデザインという観点では、『家庭医療』や『病院総合医』という言葉も当院スタッフには大きく関わってきています(家庭医療のプログラムを修了+専門医を取得している先生が2名もいる地域中核病院です)。
また概念的な話ではありますが、最近、下記の執筆関連がありました。

川島篤志:総合内科のロールモデルを目指して ~臨床研修と教育による地域医療への貢献~ 特集 どう発展させる病院総合医 【病院総合医 地域病院での役割】 病院 70:128-130,2011
川城麻里:家庭医が病院総合医として勤務する際のメリット 特集 病院総合医 免許皆伝 JIM 21:656-657,2011
また医学界新聞の座談会にも出させていただきました:もっと知りたい「病院総合医」 病院のジェネラリストという働き方http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02935_01
古いですが、自分自身が市立堺病院在籍時の発表スライドもネット上に掲載されていました:考え方は基本的に変わっていないと感じました:http://a-youme.jp/wakate/sym01/index.html
上記の読みものも参考になるかと思います
   (当院に来られたときには無理やりコピーを渡される?かも:最後のは渡さないと思いますが・・・)

ちょっと長くなっていますが、日本プライマリ・ケア連合学会の後期研修プログラムの抄録に載せたものも掲載しておきます

***** ここから *****
 当院は京都府北部の中丹と呼ばれる地域にあり、約10万人の医療圏における感染症病床を含む約300床の地域基幹病院です。
 臓器別専門医は関連の大学医局を主体に派遣していただいていますが、臓器別専門医の人数自体も潤沢というわけではなく、また外来のみを行う非常勤医師で対応している診療科もあります。
 救急医療に関しては、「断らない(断れない)救急」を実践しております。
 そういったなか、「教育力のない病院に未来はない」という香川 惠造院長のもと、2008年から総合内科が新設されました。2009年度からは専攻医・スタッフともに人数が増え、臓器別専門医の負担軽減、総合内科医としての得意分野の研鑽、また研修医・専攻医だけでなく、看護師を含めてひろく医学教育・研修に関わっています。
 総合内科としては、感染症診療や多臓器にわたる疾患や診断がついていない症例、当院に臓器別専門医が不在の領域に関する疾患などを外来から入院を含めて対応することや、初診外来・内科系救急外来(平日日勤帯)を主体にみることによって、臓器別専門医の負担を軽減し、病院に貢献しています。
 また研修医の教育にも積極的に関わり、「教える・教えられる文化」を院内全体に醸成していけるように、進歩を目指しています。地域の診療所とも顔のみえる関係が以前から創られてきており、家庭医療に理解あるスタッフが診療に関わることによって、さらに病診連携が進められると確信しています。
 総合内科専攻医としては、まだ正式なプログラムを構築できていませんが、「病棟総合医」のひとつのモデルになるべく、頑張っている施設でありますので、興味のある人は是非見学に来て下さい。
***** 終わり *****

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